International Open Data Dayと、W3C/ OKF/ ODI共催 Open Data Workshop

私のTwitterで最近ちょこちょこ登場するInternational Open Data Day関連のイベント、日本国内では

といった地域で開催が予定されています。(2/15現在)

日本だけではありません。世界中の都市で同様のイベントが同日に開催されます。

これは一体どのようなムーブメントなのでしょうか。Open Knowledge Foundation 日本グループのサイトには、

市民自らがオープンデータを活用し、課題解決に取り組むイベント

と、私も理事として関わっているLinked Open Data Initiativeのサイトでは、

オープンデータを進める世界中の政府をサポートするとともに、多くのデータをオープンデータとして普及させたいという共通の想いを持った人々が集まり、ハッカソンなどの取り組みを通してその威力をまだ知らない人々に伝えるために、オープンデータを使用したアプリケーションやビジュアライゼーションの開発や、それらのデータの公開や分析を行います。

と説明されています。

オープンデータのことを、単なる情報公開や、公的セクターによるデータの供給と捉えている方もいらっしゃるかもしれませんが、本質は「ウェブ上において、アプリケーションでそのまま利用できる形式で、データが公開される」ことにより、「様々なニーズに対応したサービスが」、「多様な主体から供給される」ことなのです。この点は、私が昨年夏に公開したスライド「Web標準: LODによるオープンデータ・オーブンガバメント」 *1 を参照していただければと思います。

この本質を理解し、オープンデータの果たす役割を実感するとともに、価値創出につなげていこう、価値創出に関与する協働の輪を広げていこう、というのがこのイベントの趣旨です。このブログポストによると、2010年12月に第1回が行われたようですね。

データリソースの創出は地域に根ざすことが多いかもしれませんが、ウェブは世界単一のインフラです。ですから、地域から世界に向けた情報発信につながるかもしれませんし、世界中のあらゆるデータリソースがマッシュアップされることで、新たな価値が生み出されるかもしれません。そのために、同じ日に世界中で同時にアイデアソンやハッカソンを実施し、つながりを実感していこうというわけなのです。

このような理想を実現するためのデータ仕様として、World Wide Web Consortium (W3C)では、Linked DataLinking Open Dataというコンセプトならびに技術仕様を開発すると共に、ユースケースの創出や仕様のブラッシュアップなど、普及活動に取り組んでいます。

現時点で最も有名なユースケースとしては、アメリカのData.govイギリスのdata.gov.ukでしょう。また、Open Knowledge Foundation 日本グループによって、世界の約400のオープンデータ活用事例もまとめられています。

ここまでに、W3CやOpen Knowledge Foundation (OKF)という団体の名前がでて来ましたが、W3C、OKF、そしてOpen Data Instituteによる共催で、4月23・24日でOpen Dataをテーマにしたワークショップが開催されます。このWorkshopでは、技術、ガバナンス、そしてビジネスの立場からオープンデータに関わる人間が集まり、課題を検討するとともに、具体的なアクションプランを探っていきます。

ビジネス、という文言が入っているのは、このWorkshopがGoogleのLondon Campusで行われ、かつChairGoogleschema.orgを担当するDan Brickleyが入っているというところからもご理解いただけると思います。「広義の」セマンティックウェブ技術も、とっくにビジネスと親和性の高い状況になっているわけです。

そもそも、オープンデータ、さらにはオープンガバメントのコンセプトが、官民の役割分担の変革を含むものでもありますので、個人や個人をベースとしたコミュニティ、NPO、更には営利企業の果たす役割が大変重要になってきます。オープンデータにリンクされるデータが、全てオープンでなくてもいいわけです。クローズドなデータがウェブに公開され、ビジネスが展開されることでより多くのデータがオープンになっていくことにつながったりもします。

23日のInternational Open Data Dayでは、横浜にて、Linked Open Data Initiativeの 設立記念パーティーを、International Open Data Day in YOKOHAMA懇親会との併催という形で実施いたします。よろしければ、ぜひご参加くださいませ。

というわけで、23日のInternational Open Data Dayに参加し、実感、共感していただいた後には、ぜひロンドンのWorkshopにも注目していただければと思います。そして、国内の(もちろん世界の)関係各者にも、ぜひ参加していただき、世界のムーブメントに同期しながらオープンデータ、オープンガバメントの推進力になっていただければと思います。

W3CのWorkshopへの参加には、ポジションペーパーの提出が必要ですが、その締切は3月3日です。一緒にロンドンで一緒に議論しませんか!!というのは、このWorkshopのProgram Committeeの一員としてのメッセージです。

*1:もしかしたら、slideshareの不具合で、うまく御覧いただけないかもしれません。といいますか、アップロードした私が見れない状態です。もし見れないようでしたらコメントいただければ助かります。