集合智をつかまえろ〜第2回:One for All, All for One 〜「保存する」を「共有する」に変えてみると起こる魔法(=フォークソノミー)

◆2008年5月のまえがき
この記事を執筆し,入稿したのは2006年8月14日.ちょうどこの直前にパリス・ヒルトンが歌手デビューしてたんですよ.いやぁ,時の流れは早いもので,,,
あと,初代W-ZERO3 ESも発売されたばかりだったのですね.ちょっと当時のことを思い出しながら読んでいただければ幸いです.

◆ここから当時の掲載原稿
この数日、パリス・ヒルトンのデビューシングルがFMなどで流れはじめましたね。パリス・ヒルトンとウェブといえば、2005年2月に起こった携帯情報端末(電話、電子メール、ウェブ閲覧ができる電子辞書くらいの大きさの端末。日本ではこのようなのが販売されています)からアドレス帳データや保存していた写真が流出した事件、覚えていますか。今アメリカでは携帯電話ではなくこのような端末でメールをしたり、チャット(メッセンジャー)をしたりするのが流行しつつあるとか。

電子メールやチャット、mixiなどのSNS、、、コンピュータってほとんどコミュニケーションするための道具になっちゃってますよね。
"The Network is The Computer"
5、6年ほど前繰り返しテレビCMで謳われていたこのキャッチコピー。今や「コンピュータ(計算機)でメールをする」というより「メールやウェブを見る端末でプレゼン資料を作る」というのがPCの使い方の正しい表現となっているわけで、ようやく時代がこのコピーに追いついてきたのかもしれません。

パソコンには自分が見つけてきたり、まとめた情報がいっぱいあるはず。せっかくパソコンはネットワークにつながっているのだから、それを独り占めしておくのはもったいない、そう思いませんか。そんな考え方で作られたサービスがどんどん増えています。参考にしたサイトのアドレス、デジカメで取った写真や動画を自分のパソコンに「保存する」ではなく、ウェブ上に登録してみんなで「共有する」。そんなサービスが最近増えています。
こうしたサービスを使えば、例えば音楽に詳しい人がチェックしているサイト、などを簡単に見つけることができるわけです。また、友達に見せたいサイト、画像、映像を簡単に教えてあげることもできます。

サイトのアドレスを共有するソーシャルブックマーク(例えば、del.icio.usはてなブックマーク)、写真を共有するFlickr、動画を共有するYouTubeなどが代表的ですが、これからもいろいろな「共有」サービスが増えてくると思います。

サイトのアドレス、写真、動画と取り扱うものが異なるこれらのサイトに共通することがあります。それは「タグ」(キーワード)を使って情報を整理するようにしていること。先週書いたとおり、タグを使うと情報を簡単に、しかも誰にでもわかりやすく整理できます。せっかく情報を共有しているのに、中身が整理されていなければ活用しようがないですからね。

情報が共有されているということは、整理の仕方も共有されているということ。お互いがお互いに共有したデータを活用しあおうとしているうちに、整理の仕方=タグのつけ方も共有されてきます。そのみんなで一緒につくった整理の仕方、それが「フォークソノミー」と呼ばれるものなのです。

ウィキ*『共有』と『フォークソノミー
情報を共有することで生まれたフォークソノミー。この耳慣れない言葉はfolks(民衆)とtaxonomy(分類学)を合わせて作られた造語。みんなでみんなに使いやすいように分類してできた整理・分類基準のこと。もちろん個人によってわかりやすい分類のしかたは違うわけだけれど、みんなで情報を共有していけばタグも蓄積されるわけで、まとめてみれば一つの分類基準になってしまうわけです。不思議でしょ。実感してみるには上に挙げたサイトをチェックしてみてくださいね。

おすすめブックマークPick Up
1.映画「スクール・ウォーズ−HERO」ホームページ
One for All, All for Oneといえば、、、、泣き虫先生山口良治氏と伏見工業高校ラグビー部をモデルにした大映テレビドラマの金字塔(山下真司主演)、ではなく、このホームページは照英主演の映画版のもの。
ウェブ2.0の基本を学ぶにはこの映画を見るべき???(なわけはない)


2.映画「蝋人形の館」ホームページ
もう一つも映画のホームページ。
こちらはパリス・ヒルトンが出演した作品。サンダンス映画祭にも出展されたそうな。
デビューCDはチェック済みという方も、こちらはまだチェックしていない方が多いのでは?