OpenID Connectの(というより、宣言の)意味と、、、、

定番のまえがき

昨年のSWXG電話会議にゲストスピーカーとして参加したChris Messinaが、新年早々インパクトのあるブログエントリ、OpenID Connectを公開しています。OpenID Connect? OpenID関連の新しい規格/技術?というわけで、私のtwitterのTLでもかなり話題となったので、重要なポイントを以下に和訳してまとめてみました。なお、何度も繰り返し強調しますが、本ブログは深見嘉明個人の責任で執筆しているものであり、W3CW3C/Keio、SWXG等の立場を反映しているものではありません。また、(できるだけ無くすように努めていますが、、、)誤訳の可能性もあります。誤認、誤訳を見つけられた場合はコメントなどでご指摘いただければ幸いです。

OpenID Connect

まず、OpenID Connectとは何か?という点について。

I want OpenID Connect to be what Facebook and Google and others implement that becomes the interoperable identity interchange protocol for the social web.
「Open IDコネクトはFacebookGoogleなどが実装してくれて、ソーシャルウェブの相互互換性のあるIDの交換プロトコルとなればいいと思う。」

I’m really just talking about repackaging OpenID as a profile of OAuth WRAP (credit: Recordon).
「Open IDはOAuth WRAPの"profile"のリパッケージ版だという想定で話している。」

技術的な定義としては、この一文が最も簡潔なものでしょう。
”OAuth WRAPの"profile"のリパッケージ版”
です。

we need a way to provide relying parties with all the other stuff they’ve come to expect from the Twitter and Facebook Connect APIs… and that’s where the “connect” in “OpenID Connect” comes in.
「採用企業に対し、TwitterFacebook Connect APIsなどから想像できる他の全ての機能を提供したい。それが"OpenID Connect"の中の"connect"が意味するところだ。

TwitterFacebook Connectなどの完全な対抗規格になるというわけです。
そして、もう一つ衝撃的なポイントが。

it’s time we ditched the “Open Stack” concept and put something out there that can stand up in conversation alongside the likes of Facebook Connect, in all its rich and specific expressiveness.
「もうOpen Stackのコンセプトを捨て、Facebook Connectのようにリッチで詳細な表現力をもつ技術との比較議論に舞台に載せられるものを持ってくる時だ。」

必然的にOpenID Connectで全部やる、わけなので、必然的にOpen Stackのコンセプトにそぐわなくなってくるわけです。

このポストではコンセプトしか語られていないので、技術的な検討とかはまだできないですし、各プラっとフォーマーがどう動くのか、、、的なことも、まだ分析しようがありません。といいますか、そこら辺はウェブニュースメディアさんにお任せするとして。ただ、Distributed Webの実現には、OpenIDだけではなく"connect"部分まで拡張しなければならない、という分析と意気込みは伝わってきますね。

というポストをまとめた途端に、、、

MessinaがGoogle入りするというブログエントリがアップされるということで、再びtwitterのTLはまた大騒ぎになったんですよね。昨年12月の元PlaxoのCTO、Joseph Smarrに続いてです。
で、このブログは断じてビジネスニュースではないので、(こうした人材の移動が私の研究対象でないというと嘘になりますが、、、)、このニュースが飛び込んだ時に、このエントリをポストするのは止めようかと思いました。でも数日考えてやっぱりポストすることにしました。というのも、MessinaがOpenID Connect構想を打ち上げなくてはならない状況になった事自体は、事実として記録されるべきであろうし、その意味をちゃんと日本でも議論したり共有したりすべきであろうと思ったからです。ただし、抄訳以上のことは、現段階ではブログで公開出来ないな、と判断し、このような形のエントリにしています。ご意見あるかたはどんどんコメントしてくださいませ。