「気持ち悪い」という気持ち

タグクラウドを見て気持ち悪いって言うんですよ。その子。」
自分の研究(フォークソノミー)に関して話をしているうちに出てきた反応だ。

「そもそも、ソーシャルブックマークっていうネーミングが気持ち悪い」
「ブックマークって言う時点でダメですよね。インターネットエキスプローラは"お気に入り"っていっているのがいいんですよ」
"お気に入り"という表現が嫌で最後までネットスケープで粘り続けた私は「ギーク」なのだそうだ。

改めて自分のはてなブックマークタグクラウドを見てみる。
理屈を分からない人が見ると確かに「気持ち悪い」という感じを持ってもおかしくないのかもしれない。
ウェブサービスではどんどん新しい機能が登場するけれど、いち早く実装し続けることでユーザのロイヤルティを保ち続けるはてなのユーザ層はそれほど広くない。少なくともYahoo!とは比べようもないし、もっと分かりやすく比較するならペーパーボーイのサイトやフォレストページのUIと見比べてみればいい。ここで一ついえるのははてなのことが大好きなユーザとヤプログやフォレストページでブログを書いている人とには完全に好みの差があるということだ。

ここまでの話なら、あたり前の話。そりゃ、ギークとITフォロワーの女性とでUIの好みが違うのはあたり前だし、ネーミングもしっかりUIの一部だ。
ところが彼は続けてこういい始めたのだ。
SNSも最初気持ち悪いと思いましたね。面倒くさいというよりも気持ち悪い。今は慣れましたれど。

SNSソーシャルブックマーク、つまりCGM的なツールを使うことも見ることも両方「面倒くさい」のではなく、「気持ち悪い」のだ。僕は問いかけた。
ソーシャルブックマークのタグなんてすごく気持ち悪いですね。なんで"タグ"なんていっちゃうのか分からない。で、はてなとかでは"キーワード"って言い換えてるけど、それもダメ。"キーワード"なんて色々な意味で使われる単語を使われるとますます役割が捉えにくくなる。」
「それから、ソーシャルブックマークのタグっていうのが、後から情報を探しやすくするためのインデックス、つまり情報を圧縮されたものの総体なんていうなら、ますます気持ち悪い。その基準ができるまでに情報を圧縮するというプロセスが入ることが。」
はてなブックマーク最近の人気エントリーなんて見てられない」
「それならまだ押し付けられた基準(書店、CDショップなどにある商品分類やYahoo!ディレクトリ)の方がまだ気持ちいい。」

"情報を圧縮する"ことの気持ち悪さは、確認してみると
・自分でわざわざ情報圧縮するという行為をすること
・他人がそれぞれ勝手に情報圧縮したものがさらに勝手に編集されて一つのコンテンツができるというそのプロセス
両方が気持ち悪い。というのだ。2つの「情報圧縮」のうち前者を「情報蓄積」に変えるとCGM全般、とりわけSNSに完全に当てはまるのが分かっていただけるか。

つまり、新しいCGMツールがキャズムを超えるためには2つのポイントをクリアしなければならないと思われるのだ。
1)自分が「情報蓄積」「情報編集する」するという仰々しい行為であると思わせないような行為の読み替え
2)集合知に対する過度の権威付けを避ける

サンプル1の意見でここまで断定するのもどうかと思うが、ある意味真理を突いていると思ったので、この段階で投稿します。この観点でもう少しデータを取らなくちゃいけないですね。