Nick Carr comes

YAMDAS現更新履歴でニコラス・カーの『The Big Switch』の邦訳が発売されることがお知らせされています。この本、春にSearch Engine Strategies のNew Yorkに出た際にもらってかえってきた。著者本人がゲストで出てくるスピーチがあり、更に来場者全員にプレゼントというキップの良さ。実際に講演は面白かったけれど。

で、その講演の中身も、日本に戻ってから読んだ本の中身も、一言で言えば

「1つ上のレイヤも、もはやコモディティ・インフラ化してまっせ

というお話。

はてなブックマークで登録数が1000を優に越えた「沈黙を破ったホリエモン,ITを語る」というITproの記事、ブックマークコメントブックマークコメントではソニー買収計画とともに、Googleをどういう会社と見てとるかという点で物議をかもしたけれど、堀江氏の捉えかたは“ある意味で”は納得。でも、インフラ屋さんをやっていくのに技術はいらないなんてことはありえないわけで、それは日本の電力事情と東南アジアのそれを比較すれば一目瞭然なわけですよ。あ、そんなこと、今更いわなくてもGoogleを支える技術 ?巨大システムの内側の世界 (WEB+DB PRESSプラスシリーズ)を読めばわかるだろ!あたり前だって、、、?ライブドアデータホテルやってたじゃん、、、とか、いろいろと突っ込みを受けそうなエントリを書いてしまっているが、さっきの記事で堀江氏が用いている「技術」の意味はちょっと違うよね、、、と。

もっと言ってしまえば、次作サーバでインフラを低コストで迅速に展開するのがウリの企業って、、、、あ、はてなもそうか、なんて話もあったりする。

で、本の話に戻ると、きちんと数十年スパンで技術進化の方向性を見定めようという方にはお勧め。先に書いたコモディティ・インフラというのは、この本では電力を指すわけですが、そういえばid:umedamochio氏もGoogleのデータセンターのことを「情報発電所」なんてネーミングをつけていましたっけ。

で、その本の邦題はこちら。

クラウド化する世界~ビジネスモデル構築の大転換

クラウド化する世界~ビジネスモデル構築の大転換

クラウド化する世界』かぁ、、、、凄く版元さん側の意図が伝わるタイトルですね、、、自分で本を出してわかったことは、やっぱりタイトルをつけるのが一番難しいということ。菩薩はある程度インパクトを残すことには成功したけれど、当然むりやり、というご指摘はいただいているわけで、、、
「○○化する世界」というのはトレンドを抑えたネーミングなんだけど、この本は「クラウド」という言葉を知らない人にこそ読んで欲しい本なんですけどね、、、ま、『ビッグスイッチ』とそのまま原題をカタカナ化してもインパクトは薄いからなぁ、、、