HTML5 JP IGの議論トピック

昨日紹介したHTML5 Japanese Interest Groupですが、公開MLをみると議論のトピックが議長の矢倉さんから提起されています。以下に引用して紹介させていただきます。
なお、タグ部分の表記についてはうまく表示されない(ごめんなさい、はてな記法にするのが面倒で、、、)部分はカットしていますので、ごめんなさい。

ご挨拶/グループで議論したいトピックについて(提案) from Masataka Yakura on 2009-12-02 (public-html-ig-jp@w3.org from December 2009)

1. HTML5のルビ要素

http://dev.w3.org/html5/spec/text-level-semantics.html#the-ruby-element

HTMLのルビは長い間Internet Explorerのみが限定的にサポートしていましたが、先日WebKitにも実装され、WebKit
NightlyやGoogle Chromeのdev版で試せるようになりました。また、ネイティブサポートではありませんが、Firefoxにもルビを表示する拡張があります。

ルビは日本語で使われる事が多いことと、WebKitが実装してあまり時間が経っていないというタイミングの良さもあり、トピックとして良いのではないかと思っています。次のような事ができないか考えています。

* 簡単なテストケースなどを用意し、まず実装を試す
* ユースケースを集める
* 探したユースケースが現在の仕様/実装で実現できるか確かめる

ユースケースがどうのと書いているのは、現在のHTML5が単純ルビ [2] 相当の機能しか持ち合わせていないことにあります。
HTML5のルビは、XHTML 1.1に盛り込まれたRuby Annotation仕様を取り込んだものではなく、IEの実装を参考に新たに定義されたものです。ですから、Ruby Annotationで定義されている複雑ルビ [3] は定義されていません(実装もありません)。また、Ruby Annotationに存在する rb 要素はHTML5では non-conforming [4] となっています。

[2] http://www.doraneko.org/webauth/ruby/20010531/#simple-parenthesis
[3] http://www.doraneko.org/webauth/ruby/20010531/#complex
[4] http://dev.w3.org/html5/spec/obsolete.html#non-conforming-features

こういった違いもあるので、複雑ルビや rb についてユースケースがないか、また仕様の追加/修正を提案するメリットがあるかなど、さまざまな点から議論したいと考えています。


2. 入力モード (inputmode)

HTML5ではフォーム機能が拡張されていますが、入力モード(ひらがなや英数、カタカナの)については仕組みが存在していません。フォーム機能がまだWeb
Forms 2.0という別の仕様だったときには、XFormsより inputmode
という属性が取り込まれていたのですが、現在のHTML5には存在しません。-wap-input-format というWAP
CSSのプロパティがあるからという理由でしたが、これを実装するデスクトップブラウザがあるかどうかは分かりません。

XHTML Basic 1.1にも inputmode 属性が持ち込まれていますが [5]、こちらも同様に実装があるかどうかは不明です。

[5] http://www.w3.org/TR/xhtml-basic/#s_inputmode

というわけで、以下のことができないか考えています。
* 入力モードを指定する機能が便利と思われるユースケースを考える
* ユースケースの文書化を行う
* inputmode属性の定義を簡略化し、HTML5に提案する

(最後については、少し欲を出してみました。)


3. Web Sockets API (プロトコル含む)

http://dev.w3.org/html5/websockets/
http://tools.ietf.org/html/draft-hixie-thewebsocketprotocol

日本語に関係するということで、ルビとinputmodeをとりあげましたが、APIについても議論したいです。ということで、Web
Socketsはどうかなと考えています。

実装状況ですが、Google Chromeのdev版でテストすることができます。また、Firefoxのtrunk(開発者版)でも、今後数ヶ月以内に実装される可能性があることから、今のうちから見始めておくのも悪くないと考えています。

具体的に始まってきたこのIG、盛り上がっていきそうですね。